
4 成果と課題
「宇宙船地球号」の元のゲームは、ひもの輪をどんどん小さくしていくものですが、初めてこの活動を行った5年生では、「なぜ地球が小さくなるの?」と言う疑問にぶつかってしまいゲームが先に進まなかったという経験から、現クラスの5年生では反対の考え方で実践しました。つまり、地球の大きさは同じで未来の地球は溢れるほどの人口になるということを体験しました。
子ども達の感想は、「狭くなって息苦しい」でした。その中でA君の「でも、貿易ゲームをやった時みたいに、お金持ちの国はこんなに狭くならないんでしょう。」と言う言葉が印象的でした。
そこで、5つの州に分かれてゲームをした理由を述べました。5つの州の中でアフリカ、アジアの途上国は、2020年までに2倍近い人口増加が予想されていることを補足しますと、自分の国、日本の将来について心配する声も出てきました。更に、世界のエネルギー、食糧の問題、自然破壊について考えを深めることができました。
「これからの地球を考える」のところでは、次のような意見が出ました。
?@グルメ旅行はなくなる
?Aゴルフ場に家が建つ
?B車は一家に一台以下にする
?C木を使わないでもよい家を造る
?D給食をなくして残飯が出ないようにする
?E火星に行って住めるように早く研究を進める等
「森林の働き」の学習の後に本時のゲームを行いましたので、世界の自然環境に目を向けた意見を書いた子どもが多かったです。また、これを生活の中で実践していこうという前向きの意見(紙をむだに使わない・必要なもの)だけ買う等)も見られました。
子ども達一人ひとりが現在の生活を見直す機会になると良いと考えます。
文献
1)千葉県環境部:環境学習ガイドブック、pp.124−125、千葉県環境財団(1994)

学校の先生も体験して学ぶエコマインド養成講座教員コース(1996年8月)
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